七草がゆの意味と由来 新年に和歌の叙情に心を馳せ言霊のことを考える

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七草がゆの意味を考える

こんにちは。飛鳥みやびです。1月7日(人日の節句)は七草粥を食べる日です。今は七草のパックが売られていますので、手軽に食べられますよね。

昔は七草を揃えるのも一苦労だったと思います。しかも外で摘んで来るとなると、郊外に行かないと街中では不可能です。新年のこの機会に日本の古(いにしえ)の風習に心を遊ばせたいと思います。

和歌に込められた思い

『古今集』に以下のような光孝天皇の歌が収められています。

君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ

大切な人(あなた)の為に、まだ寒い野原に出て若菜を摘んでいたら、着物の袖に雪が降ってきたというような情景が目に浮かびます。

若菜摘みという風習

わが国では古来より「若菜摘み」という初春の慣例的な行事・風習がありました。
「若菜」とは、春に生える食用・薬用の草の総称で、代表的なのが「春の七草」です。

「春の七草」はセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)などがその代表です。

新春に若菜を食べると、邪気を払い、万病を除くと考えられています。

和歌から伝わる情報に感動

先ほどの和歌を詠むと、大切な誰かの健康長寿を願って、雪の降る中で若菜を摘む姿。その純粋で健気な心、清らかな心に感動してしまいます。

ではどうしてこの短い31文字が並んだだけの「歌」で感動するのでしょうか。その仕組みを考えてみました。

言霊の幸ふ国

日本には、文字や音のエネルギーに伝えたい気持ちなどの「情報」を乗せる「歌」という文化があります。いわゆる言霊(ことだま)ですね。

『万葉集』にも柿本人麻呂や山上憶良が、日本(ヤマト)は「言霊の幸ふ国(ことだまのさきわうくに)」だと表現していて、日本語の言葉には霊的な力が宿っていると信じられています。

良い言葉を発すると良い事が起こり、不吉な言葉を発すると悪い事が起こるとされているのもその為です。

歌は、五七五七七のような和歌(短歌)や五七五の俳句など、決まった文字数の中に、感情や願い・情景などの「情報」を詰めて誰かに伝達する技術です。(これを悪い方向に利用すれば呪詛になります)

特に声を出して詠んだ時の音のエネルギーに情報が乗りやすいと思います。

エネルギーが情報を運ぶ

エネルギーに「情報」を乗せるというのは、テレビの仕組みを思い浮かべるとわかりやすいと思います。

テレビ局が発信する電波(エネルギー)に映像や音声の「情報」が乗っていて、それを受信機(テレビ)で捕らえて、見たり聞いたりするというシステムに似ていると思いませんか。

現代でもポップスや歌謡曲・演歌など、音楽に乗せた歌が、多くの人を癒したり感動させたり、あるいはロックなどで興奮させたりする力を持っているのを実感出来ます。ある特定の歌を聞くだけで涙が出るという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

音のエネルギーは振動ですので、人の体に共鳴共振して「情報」が伝わる(歌に込められたメッセージを受信する)のではないでしょうか。

多くの人に愛される「歌」の秘密はそこにある気がします。(そのためには受信機である私たちの感度を上げる努力が必要です)

だからこそ大昔の和歌が、時間・時空を超えて現代の私たちを感動させるんですね。少し言霊のことがわかったような気がします。

七草がゆの効能

邪気を払い万病を除くという七草がゆは、おせち料理で疲れた胃を休め、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うという効能がありますので、(和歌を詠んだ人々に心を馳せて、昔を偲びつつ)七草がゆを美味しく頂きたいと思います。ではまた。

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