成城石井スコーンミックスで手軽に手作りスコーン
こんにちは。飛鳥みやびです。イギリスでは、女の子が最初にお母さんに教わる料理が、ほかならぬ「スコーン」なのだそうです。久しぶりに自分でもスコーンを作りたくなりました。
最近はスコーン用に、小麦粉とベーキングパウダーとお砂糖を最初から混ぜてくれている小麦粉が販売されているので便利ですね。早速、成城石井で「スコーンミックス」を買ってきて、作ってみました。ミックス粉以外に必要な材料は、無塩バターと卵と牛乳です。
説明書き通りに作ってみて、美味しかったのですが、形がイマイチだと感じました。
丸くまるめた団子型、ピザのような三角型、一般的なイメージの太鼓饅頭型などがありますが、なかなか綺麗に作るのは難しいですね。
もうちょっと上手に作りたいと思って、イギリス文化に詳しい日本文学者で作家の「リンボウ先生」こと林望(はやしのぞむ)さんの名著「イギリスはおいしい」に、スコーンの作り方が載っていたなと思い出して、本棚にあった本をひもといてみました。
ちなみにイギリスでは「スコーン」と伸ばさずに「スコン」と短く発音するそうです。又、アメリカでは「ビスケット」と呼ぶみたいです。(日本でいうビスケットとはまったく関係ありません)そういえばケンタッキーフライドチキンでもビスケットといいますね。
林望著「イギリスはおいしい」からスコーンの作り方
「イギリスはおいしい」からスコーンの作り方とコツを抜粋してみます。
これは、ビクトリア時代から変わらないスコーン作りの王道です。
林先生の紹介するレシピ(先生の表現ではレセピ)は以下の通りです。
小麦粉(薄力粉) 220g
ベーキングパウダー 小さじ2杯半
砂糖(ブラウンシュガー) 大さじ1杯〜1杯半
塩 1つまみ
バター(有塩) 40g
牛乳 140cc
卵黄 1個分
・バターは室温の柔らかい状態で用いる
・小麦粉とベーキングパウダー、それに塩と砂糖をボウルに入れて、ざっと混ぜ、全体を粉ふるいでよくふるっておく(もっともふるわなくとも大過ない。その場合は、スプーンやヘラなどでよくよく混ぜるということが肝心だ)【スコーンミックスを使えば楽ですね。】
・そこに室温のバターを落として、(中略)両手の指先をよく動かしてバターを粉に混ぜ込む(中略)。すなわち「ラブイン(rub-in)」するということが、なによりもこのスコンの出来具合を左右する。【ラブとは”こする”という意味で、LOVEとは発音が違います】
・これが全体的に「砂」のようなサラサラ具合になるまで、指先だけをもちいてよくこなし込むことである。手のひらを使ってはいけない。それはバターを無用に融かしてしまうから。【バターが溶けないうちに手早くこすり合わせるように両手の指先で潰して、小さなフレーク状にするのがかなりの力仕事になります】
・そこに牛乳をそろそろと混ぜ込み、ゴムベラなどで全体を均質に、混ぜ合わせる。
・それをのし板の上にあけ、ちょっと粉を振ってほんの数回ていど軽くニードする。
【ニードとはこねることですが、スコーンはこね過ぎるとだめなので、二つ折りにして手の平でグイと押し延ばすのをサッサッサと数回繰り返します】
・その生地をのし棒で手早くのし、2センチていどの厚さにもっていく。それを丸い型(直径4〜5センチ)で抜く
・いよいよ焼くという手順(中略)ベイキングシートを敷いた天板に、きっちりと隙間なく並べる。この隙間なく並べるというところがミソ
・焼くこと190度で12分〜15分程度
・狐色に焼け色が付き、全体がホックリと膨れて、スコーン独特の「狼の口」が開いたら、出来上がりである。【焼けて来ると、生地の横腹あたりに割れ目が生じ、それが膨れるにしたがって、ムガーッというように開いてくるのを「狼が口を開いたような」と表現するそうです】
今度このレシピでスコーン作りを再チャレンジしてみたいと思います。
クロテッドクリームの代用品
スコーンに欠かせないのは、やはりこってりしたクロテッドクリームですね。しかし、大阪ではなかなか手に入りにくいのが実情です。
林先生は、「代わりにホイップクリームなどを用いるのは邪道である。」と断じて、食べた食感も風味も違うと、本の中で述べられています。
そこでクロテッドクリームの代替案として、林先生の提案は、サワークリームを買ってきて、これに卵の黄身を加えるのだそうです。
200ccのサワークリームに対して卵黄1個程度が適当量だということです。それをよく撹拌して器に盛り、1時間ほど冷蔵庫で冷やせば完成です。色・風味ともに、かなりクロテッドクリームに近いものが出来るそうです。
私は、マスカルポーネチーズを代用品として使うのもいいのではないかと考えています。
もっと詳しく知りたい方は、林先生の「イギリスはおいしい」(文春文庫)を読んでみて下さい。語り口が素晴らしく、とっても面白い本ですのでおすすめです。ではまた。